1. アメリカ人と話していて、英語に訳しづらいと感じる文章として「上の者に訊いてみます」という日本語の定番フレーズがある。日本の給与所得者で「上の者に訊いてみます」「上の者に訊いてみないと分かりませんが……」という言い方を使ったことのない人は少ないだろう。ところでこの「上の者」というのが、なかなか英語に訳しづらい。直訳では”Boss”だろうけれど、日本の会社組織というのはなかなか面倒くさいことになっていて、プロジェクトチームがあってボスがいると、その下にナンバー2、ナンバー3、ナンバー4がいる。で、日本人が「上の者に訊いてみます」というときの「上の者」というのは、往々にしてボスではなくて、そのナンバー付けの中での「上の者」だったりする。ナンバー4にとってはナンバー3が「上の者」だし、ナンバー3にとってはナンバー2が「上の者」だ。おそらくサラリーマンにとっての「上の者」と同じニュアンスを持つ単語が、学生にとっての「先輩」(これもまた英語に訳しづらい単語なのだが)だろう。辞書によれば「先輩」の訳は”senior associate”だけれど、こんな単語はまず聞いたことがない(ちなみに”senior associate”の一般的な意味は「古参議員」だそうな)。
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